化粧品に含まれるアルコールという成分は、本当はエチルアルコールといい、エタノールと成分表示される場合もあります。
エタノール入りの化粧水は、サッパリした使用感が特徴で、皮脂の分泌が多い場合は、気持ち良く使うことができます。
ですが、エタノール(アルコール)が含まれている化粧水は、赤ら顔に悩んでいる人が使うと、症状が悪化する恐れがあります。
なぜ赤ら顔専用化粧水には、エタノールが含まれていないのか調べてみました。
目次
エタノール入りの化粧水を使うと、敏感肌・乾燥肌になる?
エタノール入りの化粧水を使い続けていると、敏感肌や乾燥肌になってしまう可能性があります。
エタノールが入っている化粧水を使うと、さっぱり感や、すーっと肌へ浸透していくように感じますよね?
それは、エタノールの揮発性がもたらした感触。
揮発性とは、蒸発しやすい性質のことで、あらゆる物質の中でも、とくにエタノールの揮発性は秀でています。
イメージしやすいのは、注射の前にする消毒。
エタノールをふくませたコットンで消毒すると、塗った部分がスーッとひんやりした感じがしますよね?
そして、すぐに乾いてしまいます。そのときは気持ちよくても、ちょっと肌がかさついた感じになります。
これが、エタノールの揮発性です。
エタノールは、肌の水分も蒸発させてしまう
エタノールには、化粧水に含まれる水分を一瞬で蒸発させてしまう力があります。
さらに、肌が保持している水分も一緒に持ち去ってしまうくらい強力です。
化粧水でお肌にうるおいを与えているつもりでも、実際は、肌の水分を奪ってしまっているということ。
これでは、肌のうるおいが減少してしまいます。
エタノールが入っている化粧水を使っていると、乾燥肌や、敏感肌になりやすいのです。
エタノール配合の化粧水を使い続けると、肌の内側は乾燥しているのに、肌表面に皮脂が多く出てテカリやすくオイリーになる、インナードライ肌になってしまう場合があります。
インナードライ肌になると、肌の水分保持の力が低下し、肌の老化が加速してしまいます。
エタノールは、肌を守ってくれる常在菌も殺してしまう
また、エタノールには殺菌作用があります。
病院で注射をする前に、消毒のために使われる殺菌剤と同じものです。
肌の上には「常在菌」がいます。
常在菌は肌の上だけでなく、身体の中、空気中、どこにでもいるもので、たくさんの種類の菌がいます。
これらの常在菌は、悪い菌(悪玉菌)ばかりではありません。
肌の免疫力は、肌の常在菌が作り出してくれています。
健康な人の肌は、弱酸性の皮脂でカバーされています。
皮脂のカバーがあることで、外部から肌へと侵入しようとする、有害な菌などをブロックすることができます。
この、皮脂を弱酸性に保っているのが、肌の上の常在菌なのです。
ところが、常在菌がエタノールの殺菌作用によって死滅させられると、再び常在菌が肌に戻ってくるのは約12時間後になります。
常在菌をエタノールによって完全に殺してしまうと、皮脂を弱酸性に保てなくなり、肌の免疫力が下がってしまいます。肌の免疫力が下がると、炎症や刺激に弱くなり、敏感肌を引き起こしてしまう原因になってしまうのです。
肌のバリア機能がきちんとはたらかなくなると、敏感肌をはじめ乾燥肌、ニキビ、赤ら顔などの肌トラブルが多くなります。
赤ら顔やニキビなどの肌トラブルがある場合はとくに、エタノールを含む化粧水を使わないようにしましょう。
赤ら顔のスキンケアには、エタノールが含まれていない化粧水を
顔の赤みやニキビなどの肌トラブルがある場合はとくに、エタノール(エチルアルコール)を含む化粧水を使わないようにしましょう。
ですが、アルコールという名前がつく物質でも、エチルアルコール(エタノール)とはまったく別の物質もあります。
脂肪族アルコールと分類される物質のなかで、化粧品の粘度を調整したり、成分を乳化して水と油をなじませるために配合されるものがあります。これらの成分は揮発性もなく、皮膚への刺激もありません。
具体的には、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セチルアルコール、ベへニルアルコールなどが当てはまります。
また、日本茶(玉露)から抽出した防腐剤に「フェノキシエタノール」という成分があります。これも化学的な構造からアルコールと呼ぶだけで、エチルアルコールとは全く別の物質です。
成分名にアルコールという名前が含まれていても、揮発性を伴うエチルアルコール(エタノール)と、それとは全く別のアルコールがあります。
名前が似ているのでややこしいですが、「エタノールはすべて悪いやつ!」と決め付けてしまうのはよくありません。
エチルアルコール(エタノール)は、蒸発するときに肌の水分も一緒に奪われてしまい、肌のバリア機能が損なわれてしまいます。
赤ら顔のスキンケアには、エチルアルコール(エタノール)が含まれていない化粧水を選ぶのがおすすめです。
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