酒さとは?酒さの原因と症状、皮膚科での治療と酒さ様皮膚炎について

酒さ(しゅさ)とは原因不明の体質的な病気です。鼻や眉間、頬といった顔の中心に赤みが出ます。

顔の赤み(紅班)は、はじめは一過性ですが、放っておくと、一過性だった顔の赤み(紅班)は毛細血管の拡張を伴って持続性に変わります。慢性的な顔の赤みの疾患となり、長時間に渡ってほてりが続いている場合、酒さによる顔の赤み(紅班)に触れると熱感を感じます。

この赤ら顔の症状は、顔の毛細血管が拡張し、肌の上から透けて見えてしまうので、毛細血管拡張症のひとつです。ただ、脂腺、汗腺の疾患ともみられています。
赤ら顔が、まるでお酒を飲んで酔っ払っているような見た目になることが、「酒さ(しゅさ)」という名前の由来となっています。
酒さは「さけさ」とよみ間違える方が多いのですが、「しゅさ」とよみます。




酒さはだれもが発症する可能性がある

酒さは、子どもから高齢者まで幅広い年代で発症する可能性があります。酒さの発症の多くは30代から60代にみられ、とくに中高年以降に増加する傾向があります。

比較的女性に多いのが、紅斑性酒さ(こうはんせいしゅさ)といわれる赤ら顔の症状で、男性の場合は、鼻瘤(びりゅう)という症状が多くみられます。これは鼻の肥大を伴う症状で、鼻がボコっと盛り上がってしまい、鉄腕アトム(手塚治虫のマンガです)に登場するお茶の水博士のような鼻になってしまいます。鼻が大きなコブのようになったり、だんご鼻のようになります。

ただ、紅斑性酒さが悪化して、ニキビに似たぶつぶつができ、さらに鼻瘤へと進行する場合もあります。

日本人も酒さを発症している人は多いですが、酒さはむしろ欧米人に多く発症します。
初期の症状は、発疹、日焼け、アレルギー、アトピー性皮膚炎やニキビなどに似ていたり、湿疹やアトピー性皮膚炎、あるいはニキビと合併して発症している場合が多いので、医師が診断することが難しく、場合によっては、酒さを見逃してしまうこともあります。

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酒さの症状は他の肌トラブルと似ているので、本当に酒さなのか判断に迷うことが多いです。間違ってたスキンケアをしてしまうと、悪化する恐れがあります。

皮膚科を受診して医師に相談しましょう。医師に自分の情報を詳しく伝え、他の皮膚疾患と区別できるようにすることが大切です。例えば、ステロイドを使用中かどうか、かゆみはあるか、食生活や生活習慣はどうなのか、といったことを正確に伝えましょう。

酒さの症状

酒さは症状の重さによって3段階に分けられています。

第1度の酒さの症状は、鼻、眉間、頬、あごなどの広い範囲や顔の一部分(とくに顔面の中心)がほてり、顔の赤みがでます。肌が赤くなることを「紅斑」と言います。紫外線や飲酒、寒暖の差などの刺激がきっかけとなり、症状が出ますが、さらに数日間症状が続くこともあります。
これは酒さの初期症状であり、「紅斑性酒さ(こうはんせいしゅさ)」と呼ばれています。敏感肌になっている場合も多く、化粧品や石鹸などの軽い刺激でもヒリヒリと感じたり、少し痛みを感じることもあります。

炎症や腫れを伴い、肌が赤くなった部分にほてりを感じたり、熱感があることもあります。
また、毛細血管の拡張がみられ、毛細血管が透けて見えることから赤ら顔になっている場合もあります。
日焼けやアレルギーにも見えるため、医師でもこの症状が酒さによるものだ判断するのは難しいです。とくにアトピー性皮膚炎に似ています。ただし、アトピー性皮膚炎と合併して発症している場合もあるので注意が必要です。

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第2度の酒さの症状は、顔の赤みに加え、ニキビに似た赤い発疹が鼻、頬、額、顎などに現れ、数週間持続します。これは「酒さ性痊瘡(しゅさせいざそう)」と呼ばれています。
大人ニキビのようなブツブツですが、ニキビのように毛穴に皮脂や角質などがたまっていないところが異なります。

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しかし、炎症性のニキビや、その他の湿疹と見分けるのは難しいです。この段階で皮膚科で診察を受けても、酒さの症状と認めてもらえないことがあります。
また、酒さは、皮膚炎などが合併していることも多いので、誤診されやすい病気ともいえます。

第3度の酒さになると、大人ニキビのようなブツブツ(酒さ性痊瘡)が悪化して、コブのように盛り上がったり、団子鼻のようになってしまいます。このような症状を「鼻瘤(びりゅう)」といいます。とくに鼻の頭の部分に現れやすい症状です。
大人ニキビのようなブツブツ(酒さ性痊瘡)に、膿が溜まってくることがあります。これは、「皮脂腺」という、皮脂を分泌する器官が拡大したり、皮脂腺の増殖によって引き起こされます。鼻の周りに膿が溜まりやすくなり、それにともない、毛細血管も増殖し、赤みのある炎症が起きます。
鼻が赤く腫れ、ニキビのようなしこりができたり、膿のかたまり(膿疱)が繰り返しできると、鼻がだんご鼻のように肥大してしまいます。

酒さは症状の重さによって3段階に分けられていますが、必ずしも第1度、第2度、第3度と順番に進んでいくとは限りません。突然、第3度の鼻瘤(びりゅう)が現れる場合もあります。

酒さは、ごくまれに、目の痛みや目のかすみなど、眼にも症状が出る場合があります。眼の症状と、顔の赤みや発疹などが同時に出現する場合は、酒さの可能性があります
関連性はまだ明らかではないのですが、酒さに悩む人は、同時に偏頭痛にも悩んでいることがあります。酒さによる毛細血管への影響と、偏頭痛が関連しているかもしれません。

酒さの原因

酒さの根本的な原因は、解明されていません。
皮脂を分泌する器官である皮脂腺が、拡大したり増殖すると、皮脂腺に栄養を供給する役割を持つ毛細血管が増えたり、毛細血管を流れる血液が増加するので、肌が赤くなるというのは分かっています。

しかし、なぜ皮脂腺が突然増えたりするのかも分かっていないし、なぜ顔の赤み(紅斑性酒さ)の後に、大人ニキビのようなブツブツ(酒さ性痊瘡)が悪化して、皮脂腺が増えるのかなど、詳しい原因は謎のままなのです。

皮膚の表面が、毛包虫や顔ダニに感染していることが引き金になっているという説もあります。胃がピロリ菌に感染したことや、腸内環境の悪化が原因という説もあります。
敏感肌や乾燥肌による、慢性的な化粧品かぶれが原因という説もあります。

また、女性では閉経前後に悪化しやすいことや、片頭痛を併発する場合があることから、血管を拡張させたり収縮させたりする神経(血管運動神経)について、何らかの異常が潜んでいるという説もあります。

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それから、酒さの皮膚上で特定のタンパク質が増加することがあるので、もしかすると、肌表面で細菌の活動を抑えるはたらきのあるタンパク質に、異常が出ているのではないかという説もあります。

酒さの初期症状である紅斑性酒さ(こうはんせいしゅさ)では、炎症や腫れを伴い、肌が赤くなった部分にほてりや熱感があります。もともと炎症は肌の外の細菌や外敵から、肌を守るためのものです。それらを免疫機能と呼んでいます。アレルギーと同様に、酒さは免疫機能が暴走しているという説もあります。

酒さは、遺伝や体質などに原因があるともいわれていますが、現在のところ、原因不明の慢性的な皮膚疾患といえます。抜本的な酒さの原因に対してアプローチして、完治を目指すことは難しいのです。対処療法のような方法を用いて、症状を減らし、長い期間かけて、少しずつ肌を良好な状態にしていくための治療が必要です。

酒さを悪化させないために気を付けること

酒さの症状を悪化させないために、気を付けなければならないことがあります。

熱すぎるお風呂への入浴

熱いお風呂での長時間の入浴は避けたほうがいいでしょう。毛細血管が拡張しやすい場合、赤ら顔を悪化させる恐れがあります。また、肌の炎症は、肌の外から、細菌などの外敵の侵入と戦うための、免疫システムによって引き起こされます。免疫細胞のマスト細胞は、39度以上になると活発になるので、肌の炎症に悩まされている場合は、熱すぎるお風呂への入浴や、熱いシャワーを浴びることは控えましょう。

温度変化の大きい場所への移動

寒いところから急に暑いところに行ったり、暑いところから急に寒いところに行ったりすると、毛細血管が拡張しやすくなります。赤ら顔にとって、激しい温度変化は避けたほうがいいです。

皮膚の毛細血管は、寒暖の差や温冷の差などの温度差にさらされると、体温調節のために、毛細血管を拡張したり伸縮したりするはたらきがあります。酒さの肌では、毛細血管が拡張と伸縮を繰り返し、皮膚の体温調節を行っている自律神経のバランスが崩れてしまう場合があります。もし、毛細血管が拡張したままの状態になってしまうと、酒さの症状が悪化してしまいます。

冬の寒い屋外から、屋内へ移動したときに、赤ら顔になることがあります。屋外における冷気の対策をしましょう。冷気が顔に直接当たらに様に、マスクやマフラー、帽子など着用します。温度変化による刺激を少なくするため、厚着をしたり、手袋、ホッカイロや湯たんぽなどを使って、冷えを起こさないように心がけましょう。

温度変化による刺激に注意するのは冬だけではありません。夏も注意しましょう。暑い夏はもともと外の気温が高いので、血管が拡張しやすくなっています。家の中、建物の中でも、エアコン(冷房)の効いた部屋と、暑いままの部屋(トイレやお風呂など)を行き来することで、肌に刺激となるような温度変化にさらされてしまいます。

スキンケアとメイクは低刺激なものを

化粧品による刺激は赤ら顔の肌トラブルを悪化させます。化粧品、洗顔料ともに低刺激のものを選びましょう。
酒さの肌は、敏感肌や乾燥肌になっていることがあります。通常の肌ではダメージにならない美容成分も刺激になってしまいます。

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また、酒さの初期症状である紅斑性酒さ(こうはんせいしゅさ)では、炎症や腫れを伴い、肌が赤くなった部分にほてりや熱感があります。肌の乾燥を防ぐために、高保湿のクリームを使うと、かえって熱がこもってしまい、赤ら顔が悪化する恐れがあります。
大人ニキビのようなブツブツ(酒さ性痊瘡)と、ニキビを勘違いして、ニキビケア用の化粧品を使ってはいけません。これらは殺菌効果が高い化粧品であり、肌への刺激が非常に強いものばかりです。

酒さの肌には、敏感肌やアトピーの人向けの低刺激なものがいいです。肌に刺激となる成分が入っていない化粧品を選びましょう。
さらに、摩擦による肌への物理的な刺激を避けるようにしましょう。
洗顔のときは洗顔料や石鹸をじゅうぶんに泡立ててから、泡を肌につけてやさしく撫でるように洗います。すすいだ後、タオルをやさしく顔にあてるようにして水を拭き取ります。肌が敏感になっている場合には、洗顔料を使わずに、ぬるま湯だけで洗顔する方法もあります。

参考記事>>水洗顔のやり方って?顔に赤みがあるときや敏感肌におすすめの洗顔方法

紫外線

紫外線による刺激も、肌を敏感にさせ、肌にダメージを与えます。とくに炎症を起こしている部位に紫外線が当たってしまうと、炎症が悪化してしまいます。紫外線が肌にあたり皮膚の温度が高くなると、毛細血管の拡張を招き、酒さを悪化させる場合もあります。日焼け止め、日傘やUVカットの帽子、サングラスなどの紫外線対策はしっかりと行います。
酒さの人は肌が敏感になっていて、刺激に弱いことが多いので、日焼け止めは、敏感肌向けの低刺激なタイプ(ノンケミカル)を選びましょう。
もし低刺激の日焼け止めでも、肌に刺激となってしまう場合は、無理して日焼け止めを塗らずに、紫外線の強い時間帯の外出を避けたり、UVカット加工のされた日傘や帽子、サングラスなどを用いて、紫外線から肌を守るようにしましょう。

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熱い飲み物や辛い食べ物

熱い飲み物や食べ物、香辛料など刺激の強い食べ物を食べすぎてはいけません。お酒も控えたほうがいいです。アルコールやカフェインは、血管への刺激となる成分です。
唐辛子などの香辛料を食べると、汗をかいたり顔のほてりが起きて、体温を上昇させようとします。身体は体温を下げるために毛細血管の血流を増加させて、身体の外へ熱を逃がそうとします。毛細血管の血流が増えると、酒さの症状が悪化してしまいます。
香辛料を過剰摂取すると胃腸の粘膜も傷ついてしまうので、辛いものは避けましょう。

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ストレス

緊張やストレスも赤ら顔を引き起こすことがあるので、気を付けましょう。
酒さになると、赤ら顔になる症状だけでも、ストレスになってしまいますが、強い肌荒れなどはさらにつらいストレスになるはずです。ですが、皮膚科で診察を受けて、治療をはじめれば、酒さによる顔の赤みは少しずつ沈静化に向かうはずです。気持ちを切り替えて前向きに治療に取り組むようにしましょう。
ストレスにさらされていると、自律神経のバランスが崩れてしまいます。血流をコントロールするための、毛細血管の拡張や収縮も、自律神経によって制御されています。自律神経のバランスが崩れて、毛細血管が拡張したままの状態になってしまうと、酒さの症状が悪化してしまいます。
他にも、自律神経のバランスが崩れてしまうと、ターンオーバーという肌の角質の再生の周期が乱れてしまいます。ターンオーバーの周期は早すぎても遅すぎても、肌トラブルの原因になってしまいます。ストレスを溜めないようにすることが大切です。

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皮膚科での酒さの治療

酒さは、原因不明の慢性的な皮膚疾患です。皮膚科での治療は、長い期間かけて、症状を減らし、少しずつ肌を良好な状態にしていくための対処療法が行われます。

軟膏などの塗り薬

塗り薬(外用薬)としては、イオウ・カンフルローション、非ステロイド性の抗炎症薬などが用いられる場合があります。プロトピック軟膏も処方されます。これらの薬は副作用が出ることもあるので、酒さの症状に応じて医師が処方する薬となっています。

あまりに炎症がひどい場合、湿疹や皮膚炎で使われるステロイド外用薬を用いて、一時的に炎症を抑える場合もありますが、ステロイド外用薬は、長期間使用すると酒さを悪化させたり、酒さ様皮膚炎という別の皮膚炎を起こすことがあるので、基本的にはあまり使われません。
タクロリムス軟膏は、アトピー性皮膚炎の治療に用いられますが、酒さの炎症を抑えるのにも効果があります。
抗生物質を含む軟膏として、ナジフロキサシン含有クリームやテトラサイクリン含有軟膏が使われることもあります。

海外では、酒さの治療薬として、抗菌薬であるメトロニダゾール軟膏や、アゼライン酸高濃度配合クリーム、ブリモニジン塗布薬が使われます。しかしこれらは日本国内では承認されていないので、保険適用外で処方されることになります。

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飲み薬

飲み薬(内服薬)としては、テトラサイクリン系抗生物質の内服薬が処方されます。ミノマイシン、ビブラマイシン、塩酸ミノサイクリンなどが挙げられます。抗菌作用や抗炎症作用が高く、抗生物質の中では比較的副作用も少ないので、長期にわたる内服も可能です。
メトロニダゾールの内服薬も処方されます。大人ニキビのようなブツブツ(酒さ性痊瘡)に有効な薬ですが、酒さの初期症状である紅斑性酒さ(こうはんせいしゅさ)への効果ははっきりしません。
マクロライド系抗生物質の、ロキシスロマイシンが処方されることがあります。抗菌作用があり、ニキビの炎症や化膿を予防する効果があります。

ただし、なぜ酒さは細菌の感染症でないのに、抗生物質の内服に効果があるのか、はっきりしたことは分かっていません。ただこれらの抗生物質に、抗炎症作用を伴うことがあるので、その効果が引き出されているのではないかと考えられています。

漢方薬

肌が赤くなった部分にほてりや熱感がある紅斑性酒さ(こうはんせいしゅさ)に対しては、漢方薬を用いることもあります。白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、加味逍遥散(かみしょうようさん)が使われます。
また、従来はニキビに効果があるとされてきた、十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)も効果があることが知られています

白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)は、肌の赤みやかゆみを鎮めます。ほてり気味だったり、身体の灼熱感がある場合に有効です。のどの渇きをいやすはたらきもあります。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)は、血行を促進して血管の詰まりを解消します。血行を促進して肌に必要な栄養分を補給し、代謝を活性化し、肌を健康的に整えるので、赤ら顔や、赤ら顔の色素沈着に効果的です。血行を促進する漢方薬なので、肩こりや冷え性の改善、冷えによる生理不順やむくみに悩む人にも向いています。
加味逍遥散(かみしょうようさん)は、血流を改善して上半身にこもった熱を取り去ります。交感神経が過剰に優位になることで起きる、イライラや不眠症、ストレスなどにも効果があります。また、更年期障害からくる症状の治療にも役立ちます。女性の赤ら顔改善に向いている漢方薬です。
十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)は肌の赤みやかゆみを発散させて、炎症による腫れや化膿を抑えます。ニキビに効果があるといわれています。

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レーザー治療やフォトフェイシャル

酒さの赤みを消す治療として、レーザー治療やフォトフェイシャルが有効な治療として用いられています。これらは保険の適用外となります。
フォトフェイシャルで使われるIPL(Intense Pulsed Light)という光は、簡単に言うと毛細血管やメラニンといった、肌トラブルの原因となるものに反応する光です。
これは、血液のヘモグロビンという赤い色素に吸収される波長を含みます。赤ら顔のうち、毛細血管拡張症が原因である場合、とくに効果を発揮します。
レーザー治療では、痛み、内出血、やけどなどの副作用が起きる可能性がありますが、フォトフェイシャルではそれらのリスクが押さえられています。
フォトフェイシャルでIPLという光を照射するのを繰り返すことで、だんだん毛細血管が拡張しにくくなり、赤ら顔が改善されます。

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だんご鼻のようになってしまった鼻瘤(びりゅう)に対して、炭酸ガスレーザー治療を用いることがあります。肥大してしまった鼻の変形した部位を切除する手術の方法として、炭酸ガスレーザーを使います。
鼻瘤(びりゅう)には、「皮脂腺」という、皮脂を分泌する器官が拡大したり、皮脂腺の増殖が起こっています。そのため、レーザーによる肌のダメージがあっても、早く回復することができます。炭酸ガスレーザーは、鼻の変形した部位を切除する手術として有効です。

酒さと酒さ様皮膚炎の違い

皮膚に何らかの疾患があり、副腎皮質ステロイド薬を使用し続けることで、顔の赤みやほてり(毛細血管の拡張)、かゆみ、発疹が現れる症状を「酒さ様皮膚炎」といいます。アトピー性皮膚炎にも似ていますが、かゆみの症状はさほど強くありません。

酒さは鼻や眉間、頬といった顔の中心に赤みが出ますが、酒さ様皮膚炎では、ステロイドを使用していた部分だけに症状が現れます。
酒さと異なり、原因ははっきりしています。それは、ステロイドを長期間使用したことです。

ステロイドとは副腎皮質ホルモンの1つです。免疫を抑制する作用があり、肌の炎症を抑えるはたらきがあります。アレルギーによる免疫機能の暴走を食い止めるはたらきがあります。
ただ、ステロイドがもつ免疫力を抑制するはたらきは、炎症を起こしている部分以外の、身体のなかのすべての正常な細胞にもはたらいてしまいます。そのため、ステロイドは副作用が出やすい薬です。

免疫力が低下すると、細菌などの侵入や外からの刺激に対する、身体の抵抗力が弱くなってしまいます。ちょっとした刺激によって、肌の状態が急激に悪化することにもなりかねないのです。
よって、ステロイドは炎症を抑えるために一時的に使うものです。長期間ステロイドを使い続けてしまうと、さまざまな副作用が生じます。
ステロイドの副作用として、皮膚が薄くなってしまい、傷つきやすくなってしまいます。エラスチンやコラーゲンが不足してしまい、肌の弾力を保つことができなくなります。肌のハリが失われ、肌のたるみやシワなどが目立つようになります。皮膚が薄くなってしまうと、血管が透けてしまうので、顔の赤みが増してしまいます。

ステロイドは副腎皮質ホルモンの1つで、人間の身体の中の「副腎」から分泌されている物質です。ステロイドを塗っていると、ステロイドを身体の中で作る機能が鈍くなってしまいます。身体の中にステロイドが余っているのだと勘違いしてしまうのです。
そのような状態で、突然ステロイドを塗るのをやめると、身体の中では急にステロイドを作ることができず、ステロイド不足に陥り、酒さ様皮膚炎などの症状が出てしまいます。

酒さ様皮膚炎の治療方法

酒さ様皮膚炎は、長期間ステロイドを使い続けてしまったために起きた副作用なので、ステロイドの使用を中止するというのが根本的な治療になります。
ところが、今までステロイドによって抑えられていた炎症が、ステロイドをやめると一気に再発します。離脱症状(リバウンド)ともいわれていて、肌の炎症、ほてり、ブツブツ、皮膚のカサつきやごわつきなどが現れます。
いきなりステロイドの使用を中止すると、離脱症状により肌の状態が一気に悪化してしまうので、ステロイドを徐々に減らしていく「減ステロイド」による治療が行われます。ステロイドには5つの段階の強さがあります。強いステロイドから弱いステロイドに移行していきます。最終的には全くステロイドを使用しない「脱ステロイド」を目指すのですが、少しずつ移行していくので、どうしても時間がかかってしまいます。
ステロイドを減らしたり、弱いステロイドに移行するタイミングは、酒さ様皮膚炎の症状や肌の状態を見ながら、医師が判断することになります。皮膚科での診察を踏まえて、信頼できる医師の判断に任せるようにしましょう。自己判断でステロイドを調節するのは危険が伴います。

酒さ様皮膚炎になりやすい人

ステロイドを使っても、酒さ様皮膚炎になる人とならない人がいます。

ステロイドを使って酒さ様皮膚炎になってしまった人は、もともと酒さの体質を持つ人だったのだという説もあります。酒さの肌にステロイドを塗り続け、酒さが悪化して酒さ様皮膚炎になったのだ、という考え方です。
もともと、ステロイドの副作用は「ステロイド座瘡」といわれていて、ニキビのようなブツブツ(丘疹、膿疱)だけが現れる副作用であり、酒さのような顔の赤み(紅班)は現れません。
ステロイドを塗り続けた人の中で、ステロイド座瘡が現れる人と、酒さ様皮膚炎になってしまう人と分かれてしまうのです。
ステロイドを塗り続けてステロイド座瘡が現れる人は、もともと酒さの体質ではなかった人で、ステロイドを塗り続けて酒さ様皮膚炎になってしまう人は、もともと酒さの体質をもっていたのではないかと考えられています。

酒さの初期症状は、顔の一部分(とくに顔面の中心)がほてり、顔の赤みが出るだけで、比較的軽い症状です。酒さは湿疹やアトピー性皮膚炎と合併して発症していることが多く、酒さの合併に気づきにくいのです。その場合、酒さに気づかず、湿疹やアトピー性皮膚炎の治療のためにステロイドを投与し、酒さ様皮膚炎が現れたので、これはステロイド塗布による副作用とされたのではないか、という推測もあります。
また、プロトピック軟膏という免疫抑制剤を長期間顔に塗ったところ、酒さ様皮膚炎になってしまったという事例があります。先ほどの説によれば、もともと酒さであったのがプロトピック軟膏によって悪化したものだと説明されます。

プロトピック軟膏は、タクロリムスという免疫抑制剤が含まれている塗り薬です。ステロイドと同じように、アトピー性皮膚炎などの治療に使われます。ステロイドとは違い、皮膚が薄くなったり、毛細血管が拡張したりする副作用が少なく、長期間使用したことによる副作用も少ない薬なのです。また肌の赤みを抑えるはたらきもあります。

ですが、プロトピック軟膏は、使い始めの1週間程度、副作用として顔の火照りやかゆみが出ることがあります。しかも顔の炎症が強いほど、副作用の火照りや痒みがひどくなるという特徴があります。
赤ら顔や酒さの治療法のひとつとして、まずは、ステロイドを一時的に使って炎症を抑え、その後プロトピックに切り替えます。プロトピックを塗っても火照りやかゆみが出なくなったら、皮膚に炎症がなくなり、もうプロトピックが皮膚に吸収されなくなったということです。同時に肌の赤みも無くなっているはずです。

酒さ様皮膚炎の治療としての「減ステロイド」や「脱ステロイド」が著しく困難なケースでは、プロトピックによって症状を抑える場合もあります。

酒さ様皮膚炎の治療には、長い期間が必要です。酒さ様皮膚炎を完治させるためには、脱ステロイドの期間を乗り越えなければなりません。医師に相談して、脱ステロイドをすすめていきましょう。

酒さ様皮膚炎は、顔の赤みや腫れがずっと続くわけではありません。脱ステロイドを行うと、一時的に肌の状態が悪化してしまいますが、少しずつ肌の状態が良くなっていくのを実感できるはずです。




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